バスケットボール女子のシャンソン化粧品(静岡市)の元選手で中国出身の川村李沙さん(29)が解雇されたのは不当だとして、同社に社員としての地位確認と1500万円の慰謝料などを求めた訴訟の第1回口頭弁論が19日、静岡地裁で開かれ、川村さんが冒頭「シャンソンのために来日した。プレーを続けたい」と訴えた。

 被告側は「選手契約が満了しただけで解雇ではない」と主張、全面的に争う姿勢を示した。

 原告側は終了後の会見で、勧誘時の会社の説明が事実と異なっていたとして「故意でなかったとしても、正確な情報を調べて提供しなかった責任はある」と述べた。

 訴状によると、同社は2003年に中国で川村さんをスカウト。プレーするには日本国籍が必要で、同社は「2年後に国籍を取得でき、日本代表にもなれる。引退後も生活を保障する」などと説明した。

 09年に日本国籍を取得したが、中国で代表経験があったことが国際バスケットボール連盟の規定に抵触、日本代表に選ばれたが試合には出場できず、昨年3月に解雇されたとしている。

 被告側は日本国籍が必要との規約は03年の契約直後に新設されたと主張。「原告には十分な説明をした。日本代表になれるというのは可能性を示しただけ」としている。