サッカー、野球やバレーボールなど韓国プロスポーツの八百長が表面化している問題で、「スポーツの根幹を揺るがすものだ」と事態を深刻に受け止めた韓国政府は、八百長が発覚した選手、コーチを永久追放や出場停止とし、関与したチームをリーグから除名することなどを柱とした総合対策を21日に発表し、信頼回復に躍起だ。

 韓国政府が八百長問題で包括的な対策を打ち出したのは初めて。しかし韓国メディアからは「従来チームごとにあった内規などをまとめただけで実効性は疑問」との指摘も出た。事件の温床とされるスポーツ専門の違法賭博サイトの根絶も容易ではないとみられ、スポーツ界浄化がどこまで進むか注目される。

 総合対策によると、八百長に関与したチームについては、リーグからの除名のほか、悪質さの度合いに応じてスポーツ振興団体からの助成金を削減。八百長防止のため、試合内容を常時監視する仕組みをつくり、不正が疑われる行為がないかをチェックする。

 また年俸の低い選手らが不正の誘惑を受けやすいため、最低年俸を引き上げ、引退選手らへの年金制度を拡充する。不正を自主申告した選手らの処罰を減免するほか、内部告発者への報奨金を最大1億ウォン(約710万円)に引き上げた。