<スノーボード世界選手権:女子スロープスタイル>◇第5日◇21日◇オーストリア・クライシュベルク

 女子で16歳3カ月の鬼塚雅(バートン)が日本女子初の金メダルを獲得した。

 圧倒的な安定感だった。優勝をたぐり寄せた2回目の滑走は3度のジャンプ全ての着地をほぼ完璧に決め、92・50点。スノーボードの世界選手権で史上最年少女王となった鬼塚は「緊張感は半端ではなかったけど楽しかった。これだけの点数が出てうれしい」と満面の笑みを浮かべた。

 高く、滞空時間の長いジャンプが際立っていた。最初に繰り出した横2回転半は決勝に出場した選手の中で最高レベルといえる技だが、簡単に柔らかな着地を決めた。それでも「(板をつかむ技の)グラブがうまく入らなかった」と反省した。

 熊本市出身。福岡市の室内施設で5歳からスノーボードを始め、8歳の時には将来性を見込んだ大手用具メーカーから支援を受けるまでになり、海外の大会などに出場して着実に力を伸ばした。

 昨年のソチ冬季五輪は全日本スキー連盟の派遣基準をクリアできず、出場はかなわなかったが、オフのトレーニングで「技の完成度とメンタル面が強くなった」と成長を実感している。「3年後の平昌五輪に出て、そこでもいい成績を出したい」と目標を口にした。

 ◆鬼塚雅(おにつか・みやび)1998年(平10)10月12日生まれ、熊本市出身。スノーボード女子スロープスタイルの若手注目株で、昨年の全日本選手権優勝。8歳で大手用具メーカーとスポンサー契約を結び、世界を転戦して力をつけてきた。熊本・ルーテル学院高1年。バートン。158センチ、47キロ。