驚異の18歳に世界も驚いた。錦織圭の大金星から一夜明けた8月31日、米メディアも大々的に快挙を報じた。ニューヨーク・タイムズ紙がスポーツ面トップで「絹のように滑らか」と絶賛した。4大大会での快進撃で錦織が「日本のホープ」から「世界の超新星」へ駆け上がった。

 「絹のような滑らかな動き-」。ニューヨーク・タイムズ紙は、錦織のプレーをこう表現した。同紙は31日付紙面で「ニューヒーロー誕生」というテーマで、18歳の日本人を大きく取り上げた。ニューヨーク・ポスト紙は73年に17歳で世界3位を撃破したボルグを引き合いに出し「それ以来の若さだ」と驚きをもって報じた。

 英ロイター通信は「日本の10代、錦織がショーの主役を奪った」という見出しで世界に打電。「何かに取りつかれたような錦織のプレーで、フェレールは破壊されてボロボロになった」と破壊力あふれるプレーを絶賛した。最大の武器の、ジャンプして空中で振り抜くフォアの強打は、早くも米国で「エア・ケイ」のニックネームが付けられた。

 1回戦で第29シードで世界32位のファン・モナコ(アルゼンチン)を撃破してから、世界中のメディアの注目を集めていた。試合後の会見では最大の会見場が使用され、日本の報道陣に迫る数の海外メディアが詰めかけた。2回戦では日の丸と「Nishikori」と書いたTシャツを着た米国人女性も登場した。

 3回戦前日の29日には異例の「錦織撮影会」まで行われ、世界中から20人以上のカメラマンが集まった。質問に流ちょうな英語で応じることも、海外メディアの好感を持たれている。ニューヨーク・タイムズ紙は、95年のウィンブルドンで、27歳で準々決勝に進出した松岡修造とも比較。さらに「島根県からやってきた18歳の日本人が、全米オープンの歴史をつくった」と称賛した。