東京に五輪を呼んで、秋田を元気にしよう!

 76年モントリオール五輪の女子バレーボール金メダリストで、日本オリンピック委員会(JOC)の荒木田裕子理事(54)が、2日に仙台市内で行われたシンポジウムに参加。出身地の秋田県について「秋田は元気がない。東京に五輪が来れば、スポーツ熱が高まるはず」と16年五輪の東京招致を訴えた。このシンポジウムを含めた国際スポーツ情報科学カンファレンス(仙台大主催)は3日、3日間の日程を終えた。

 出身地への思いは、消えることがない。荒木田理事は、今夏の北京五輪に競技広報担当役員として参加。同郷の選手が、バレーボール男子の宇佐美大輔(横手市出身、パナソニック)と陸上男子の松宮隆行(鹿角市出身、コニカミノルタ)しかいなかったことに触れた。「私たちのころは7~8人はいたし、県人会ができてたんですよ。寂しいねえ」。秋田県勢の奮起を願っていた。

 追い風にしたいのが、16年五輪の東京開催だ。日本招致が実現すれば、夏季五輪としては64年東京大会以来、52年ぶり。首都圏だけでなく日本全国で五輪関連イベントが行われ、競技団体は遠征や合宿で各地を訪れる。五輪ブームが秋田県にも波及するのは間違いない。荒木田さんは「五輪が来れば、日本全体のスポーツ熱が高まるし浸透する。秋田も元気が出てくると思う」と期待していた。

 現在はテレビ解説、バレーボール教室、講演と多彩に活動している。「バレーを教えに行く時は、金メダルも持って行くんです。見せると子どもたちが『すごいね』って喜んでくれる。子どもたちのために五輪を呼びたい」。北京五輪で着た公式ユニホームは、母校の仙北市立神代小に寄贈する予定だ。「五輪を少しでも身近に感じてもらえれば」。次世代の活躍を夢見ている。【柴田寛人】