8月にベルリンで開催された陸上の世界選手権女子800メートルで優勝したキャスター・セメンヤ(18=南アフリカ)が、男女両方の生殖器を持つ、両性具有であることが判明したと、11日付のオーストラリア紙シドニー・モーニング・ヘラルド(電子版)が報じた。

 同紙によると、セメンヤには卵巣がなく、代わりに体内に男性ホルモンを大量に分泌する精巣があることが、医学的な報告で示された。血液、染色体などの精密検査を受けての結果に、国際陸連(IAAF)のデービス広報部長は「最終決定ではない」と前置きした上で「男性ホルモンのおかげで有利であることが証明されれば、不正ではなく、そのように生まれたわけだからメダルをはく奪することは極めて難しいだろう」とコメントした。2位のジェプコスゲイ(ケニア)にも金メダルを与える可能性も出てきた。

 セメンヤは出生証明書では女性として提出され、女性として育ってきた。だが幼少から女性らしからぬ身体能力を発揮。現在もガッチリとした筋肉質の体格で声も低い。世界選手権の決勝は自己記録を1秒27更新する1分55秒45でゴール。前回覇者のジェプコスゲイに2秒以上の大差をつける圧勝に、「男性疑惑」が持ち上がっていた。

 IAAFはこれらの報道を「IAAFの公式見解ではない」と強調する声明を発表。検査結果を医療の専門家グループに精査させるため、最終判断は11月20、21日の理事会以降となる見通しを示した。