<テニス:ウィンブルドン選手権>◇12日目◇3日◇ウィンブルドン・オール・イングランド・クラブ◇ジュニア女子シングルス決勝

 ジュニア世界10位の石津幸恵(17=土浦日大高)が、惜しくも69年沢松和子以来の4大大会ジュニア制覇を逃した。クリスティナ・プリスコバ(18=チェコ)に最終セット4-2リードから逆転され、3-6、6-4、4-6で準優勝に終わった。しかし、大会のジュニアで日本人41年ぶりの決勝進出に日本の新星が大きく羽ばたいた。

 審判と握手した瞬間に、もう石津は泣いていた。夢にまで見たジュニアのウィンブルドンタイトル。それを目の前にしながら、逃した悔しさ。69年女子優勝のジョーンズさんから準優勝のプレートを渡されても、その目は真っ赤だった。

 今年の全豪ジュニアでは「優勝する」と豪語した。しかし、勝ちを意識しすぎて2回戦で敗れた。「今回は1戦1戦を戦いたい」。その言葉通り、接戦を切り抜けながら、準決勝では08年覇者でジュニア界のスーパーヒロイン、ロブソンにストレート勝ちを収めた。しかし、最後に力尽きた。

 日本期待の星だ。ジュニアながら、すでにプロの登竜門であるツアー下部大会で今年3勝。持ち味は、この日もさえわたった切れのあるフォアハンド。「食べると太るから、ケーキを見て歩くのが好き」という17歳の素顔からは想像できない。

 テニスの夢は「ウィンブルドンのセンターで優勝すること」。人生の夢は「高校の教員になって、テニス部の監督で高校総体に優勝すること」。この日は、センターに次ぐ1番コートでプレーできた。来年に予定しているプロ転向で、その夢に少しずつ近づく。