フィギュアスケート世界選手権で2連覇を狙うも、6位に終わった浅田真央(20=中京大)が名将の手でよみがえる。

 来季に向けて「(佐藤)信夫先生と、基礎をもう1度やろうと話し合った」。佐藤コーチが就任したのは昨年の9月。シーズン直前で、殿堂入りした世界的な指導者の手腕でも、さすがに微調整しかできなかった。佐藤コーチも「基礎から作り直す」と話しており、浅田が、数々の名選手を生んだ名伯楽の手に染まるのは、このオフからだ。武器のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を合計3度入れることや、連続3回転への挑戦も「できることはすべてやってみたい。でも、まずは土台をつくることが大事」(浅田)。

 東日本大震災で約1カ月延びた今季が終わった。「自分の思っている演技ができたのは少なかった。悔しかった」。帰国して、つかの間の休みは、村上や姉舞さんらと一緒に遊びに行く予定だ。「部屋の片付けをしたい」。その時だけ、20歳の女性の笑顔に戻った。