ロンドン切符をかけた競泳日本選手権は4月2日、東京・辰巳国際水泳場で開幕する。前回の五輪選考会では、英スピード社の高速水着「レーザーレーサー(LZR)」が話題をさらった。新記録が次々誕生し「魔法の水着」と呼ばれた。あれから4年。国際水連のルール規制を経てスピード社が開発した女性用新型水着(ファストスキン・スーパーエリート)は「ずんどう」型だ。

 スピード社製を国内販売するゴールドウイン社スピード事業部・小嶋正午部長は「人間の創造物で、水中で抵抗が少ないのは魚雷。こういう形状となると、ただ締め付けるだけじゃなく、太いところはより細く、細いところは締め付けない」と説明。流体力学からでた答えが「魚雷」だった。

 水中を推進する場合、抵抗は一番太いところで決まる。体全体を締めつけ「くびれ」をつくれば、その凹凸部分が乱流を生み、余計な抵抗となる。だから筋肉が盛り上がる胸回りを抑え細い腰回りへと持って行く。「本当ならプロポーションのいい女性も、くたびれた体つきになる」(小嶋部長)と、見た目より本質を突いた。

 LZRは体全体を締め付け、体積を小さくすることで水の抵抗を下げた。そこからまた1つ進化した新モデル。流行に逆行する?

 ずんどう型がロンドンを熱くしそうだ。【佐藤隆志】