<卓球:世界選手権団体戦>◇6日目◇30日◇ドイツ・ドルトムント

 前回3位で世界ランク4位の日本男子が3大会連続のメダルを確定させた。準々決勝で同9位のシンガポールを、3-1で下し、ベスト4進出。銅メダル以上が確定し、準決勝では地元ドイツと対戦する。

 鋭いリターンが決まった瞬間、両手を掲げて倒れ込んだ。水谷隼(22=明大)はそれだけ気持ちが入っていた。「世界選手権でメダルを取ることの重みを知っている。しっかり取れたので、それが、ああいう表現になりました」と照れ笑いした。2-1で迎えた第4試合。世界21位ガオから、簡単に2ゲームを連取。だが、サーブミスから相手を勢いづかせ、追いつかれた。最終第5ゲームは一進一退。3度目のマッチポイントで、相手のサーブが大きく弾んだ瞬間打ち返すことを決めた。「(サーブが)台から出る球に対して、ずっと練習してきた。最後にああいう形が出て良かった」。リターンエースで鮮やかに締めた。

 準決勝の相手は、世界2位の地元ドイツに決まった。北京五輪では準決勝で敗れた。水谷は「明日は会場も満員になる。並の人間じゃ耐えられない。でも、自分はそこでこそ燃える人間。ひと泡吹かせたい」。言葉が熱を帯びていた。