<水泳:パンパシフィック選手権>◇第1日◇21日◇オーストラリア・ゴールドコースト

 男子200メートルバタフライで、瀬戸大也(20=JSS毛呂山)が1分54秒92で金メダルを獲得した。個人メドレーが主戦場だが、今季から同種目でもタイムを伸ばし、個人メドレーに続き新たな「本職」にしていた。2年後のリオデジャネイロ五輪で複数のメダルを獲得するためにも、大きなステップを踏んだ。

 派手なガッツポーズはない。男子200メートルバタフライ決勝。今季1位のタイムを持つ瀬戸は、100メートルの折り返しで、体半分のリードを奪う。後半は後続に追い上げられたが、0秒36差で逃げ切った。「狙って金を取れたことは評価できる」とうなずいた。

 個人メドレーが主戦場だが、今季から男子200メートルバタフライも「本職」になった。もともと5歳で水泳を始めたときから、肩関節が柔らかく、バタフライは得意で好きな種目。昨年の世界選手権では同種目の出場権を逃したが、レースを間近にして「出たかった。自分が出ていればメダルを取れる」と確信した。以来、練習にも力が入った。

 初出場のパンパシは、夢の始まりの大会だった。02年横浜大会。8歳だった瀬戸少年は、母親とともに観戦。憧れのフェルプスの写真を撮り、北島康介とは2ショットで撮影してもらった。今でも大切な1枚だが、当時は感激し、トップスイマーになる決意を固めた。「自分が出場するのは不思議な感じがする」。昨年世界選手権の金メダルとは、また違った喜びにつつまれた。

 個人メドレーに加え、バタフライでも世界で戦えることを証明した。「リオでは1つでもいいので金を取る。東京では複数の金」と目標を掲げる。今日22日には昨年世界選手権で金メダルを獲得した男子400メートル個人メドレーに出場。ライバル萩野との争いになるが、昨年の世界王者として従来の「本職」で負けるつもりはない。

 ◆瀬戸大也(せと・だいや)1994年(平6)5月24日、埼玉・入間郡生まれ。6歳の時に水泳を始め、個人メドレー、平泳ぎ、バタフライなどで活躍。埼玉栄高時代は高校総体では3年連続で個人メドレー2冠を達成。昨年4月から早大進学。同年世界選手権では男子400メートル個人メドレーで金メダルを獲得。家族は両親と妹。174センチ、70キロ。