被告側の証人として出廷した元小結の板井圭介氏(91年名古屋場所で引退)と同誌の記事を執筆したフリーライターの武田頼政氏だったが、決定的な新事実を出せずに終わった。

 板井氏は現役時代、自ら八百長に関与したことを認めた上で「(八百長の交渉は)付け人を通じて支度部屋でやっている。同じ支度部屋の時は直接交渉することもある。全体の75~80%は八百長」と証言。だが、この裁判で争われている06年九州場所、07年初場所の八百長の有無については「不自然な取組もあるが、何も知らない。分からない」と答えた。

 武田氏は「支度部屋の雰囲気がおかしい。力士の仲が良すぎて、戦う雰囲気じゃない」と話したが、八百長があったとした07年初場所では「当時、支度部屋には入っていない。カメラマンや他の記者を通じて確認した」と直接取材をしていないことを認めた。朝青龍との対面も初めてだったという武田氏は「すごくチャーミングで、魅力的なやつですね」。一方で朝青龍の証言内容については「ウソばかり。大ウソつきですよ。こっちは弾がなくなるまで撃つだけです」と話し、今後も闘う姿勢を示した。