日本相撲協会は26日、大相撲夏場所(5月9日初日、両国国技館)の新番付を発表した。横綱白鵬(25=宮城野)は、2場所連続14度目の優勝に挑戦する。08年秋以来遠ざかっている東京での本場所を制すれば、54代横綱輪島の優勝回数に並ぶ。東京・墨田区の宮城野部屋で会見し、輪島のトレードマークだった「黄金のまわし」に変更するプランも明らかにした。

 夏場所も一人横綱を務める白鵬が「黄金のまわし」をつける考えを明かした。

 白鵬

 自分が14回優勝しましたら、横綱(輪島氏)に自分の(優勝)額をプレゼントします。「14回はもうすぐだろうな。あんまり早く、アレするなよ」と冗談で言われました。(輪島氏には)黄金の左、黄金のまわしもある。まわしも替えようかなという気持ちもあります。

 71年から11年間活躍した輪島は、左下手投げが十八番。まわしの色にかけて「黄金の左」と言われた。今は濃い茶色のまわしを愛用している白鵬は、天才横綱に敬意を表し、黄金のまわしを復活させることを考えていた。

 伝え聞いた輪島さんは「いいことじゃないですか。僕は休場した時、ある後援者が気持ちを切り替える意味を込めて、プレゼントしてくれた。白鵬の体に似合うと思いますよ」と歓迎した。

 引退した元横綱朝青龍は、05年春場所に黄金まわしを着用。13日目に負けると、翌日から黒に戻した。事前に、輪島氏から許可を得たが、同氏は「許可なんていらない。好きなものをつければいい」と、親交ある白鵬にゴーサインを出した。

 白鵬にとって、最近の東京場所は鬼門。最近5回の優勝は地方場所で、東京では08年秋以来、制していない。「5月に優勝しておかないといけない。チャンスは逃さず頑張りたい」。黄金時代は、成績でも締め込みでもアピールする。【佐々木一郎】