<大相撲名古屋場所>◇初日◇10日◇愛知県体育館
千代の富士の通算最多1045勝に王手をかけている大関魁皇(38=友綱)が、黒星発進となった。西前頭筆頭の嘉風(29)に送り出されて、記録達成ならず。場所前の稽古不足が影響した。観衆は名古屋場所初日としてワーストの5500人しか入らず、こちらも精彩を欠いた。今日2日目の豪栄道戦で再挑戦する。
九州場所でもないのに「魁皇コール」が、自然発生した。会場の期待は高かった。相手は過去2戦2勝の嘉風だったが、勝てなかった。魁皇は「反応が鈍い。何か、やることが中途半端だし、腰は高いし…」と反省の言葉を並べた。通算最多1045勝は、2日目以降に持ち越しとなった。
立ち合いで上体が起き、嘉風にいなされて、後ろ向きになった。これで勝負あり。「場所前の稽古が足りなかった。関取衆とできなかったのが痛い」。持病の神経痛を発症し、本場所に向けて体調回復を優先した。出稽古はせず、魁聖が故障していたため、部屋でも関取と胸を合わせる機会がなかった。
場所2日前には、伊勢神宮参拝などの行事もあり、体に負担がかかった。「そんなことも言っていられない」と日程面の言い訳は避けたが、万全の態勢で初日を迎えられなかった。友綱親方(元関脇魁輝)は「今日取って、気持ちとか感触が変わってくるだろう」と2日目からの好転を期待した。
この日の観客は5500人。半年ぶりの本場所再開も、八百長問題の影響は避けられなかった。平日の集客は、さらなる落ち込みが見込まれるが、魁皇の記録が先送りになって「集客効果」が生まれる可能性もある。2日目は横綱が登場する結びを6本上回る13本の賞金が懸けられるなど、注目度も高いままだ。
魁皇は5月技量審査場所でも初日に完敗し、2日目からがらりと相撲が変わった。「今場所はどうか?」と聞かれ「どうだろう。そうならなきゃ」と自分に言い聞かせた。2日目は、過去5勝5敗の小結豪栄道。簡単な相手でないが、足踏みばかりも、していられない。【佐々木一郎】

