敗れたとはいえ、明るい材料が見受けられた試合だった。スタメン起用されたルーキー水野達稀内野手(21)がプロ初安打を含む4打数2安打と結果を残した。開幕直後は直球に対応できず、すぐに2軍行きとなった。ルーキーがプロの直球をいきなり打つのは難しいかもしれないが、2軍でしっかり調整できたのだろう。早い段階で直球を打つ準備ができたのは評価したい。二遊間がなかなか固定できないのが、日本ハムが長い間抱える課題。レギュラー争いに刺激を与える活躍だった。

2番で起用された浅間大基外野手(25)はいい形で昨季を終え、今季はレギュラーを確実にするシーズン。低めの変化球への打撃向上は昨季証明済みで、今季の課題は直球をいかにしっかりとらえられるか。そこを注目して見ていた。初回の本塁打は決め打ちとはいえ、岸の高めの直球をはじき返した。昨季まであまり打てなかった直球に対応できたのだから、価値のある打席と言えよう。

2打席連続本塁打を放った清宮幸太郎内野手(22)は見るたびに打撃フォームが変わっている。4日の試合もこの日の試合も打撃フォームが変わっている。いい打者で多少の微調整は本人の中ではあるかもしれないが、打撃フォームをころころ変える選手は見たことがない。打撃の内容はさておき、せっかくいい形で本塁打を打てたと思うなら、この先調子を崩しても、この日の打撃フォームで我慢して打席を重ね、身につけてほしい。

一方で気になったのは6回の守備。1死一、三塁で炭谷が投手前に転がすスクイズ。炭谷はアウトにはなったが、二塁のアルカンタラの一塁ベースカバーが遅れた。米国ではああいう場面でのスクイズはあまりなく、そのためバントをイメージできず、カバーが遅れる。これは以前にもあったプレー。周りの選手やベンチがアルカンタラとコミュニケーションを取らないと、また次に同様のことが起きるだろう。周囲のサポートが必要ではないかと感じた場面だった。(日刊スポーツ評論家)

日本ハム対楽天 1回裏日本ハム無死一塁、右越え2点本塁打を放つ浅間(撮影・黒川智章)
日本ハム対楽天 1回裏日本ハム無死一塁、右越え2点本塁打を放つ浅間(撮影・黒川智章)
日本ハム対楽天 2回裏日本ハム無死、右越え本塁打を放つ清宮(撮影・黒川智章)
日本ハム対楽天 2回裏日本ハム無死、右越え本塁打を放つ清宮(撮影・黒川智章)