阪神は広島戦が雨天中止になったことをプラスにとらえるべきだ。先発ローテーションは“谷間”だったし、抑えの岩崎が3連投していた状況などを考えれば前向きに受け止めることができるはずだ。

広島に大きく負け越している阪神はここで巻き返しておきたい。特に対広島13試合で計4盗塁はいかにも消極的だ。試合前のスターティングメンバーでは「7番小幡」だったから、矢野監督も機動力を押し出すつもりだったのかもしれない。

1番中野から、島田、近本と足の速い選手がそろっている。4番の佐藤輝も遅くないから、エンドランなどで足を絡めて積極的な攻撃を仕掛けることができるはずだ。ここは“動く”ことで相手チームに揺さぶりをかけたい。

チームの得点力アップにつながるカギを握っているのは佐藤輝だ。そこそこヒットは出ているがホームランはご無沙汰だ。今のままだと大胆に攻められ続けるだろうが、持ち前の長打力が発揮されるとチームは活気づく。

広島のほうは秋山加入が刺激になっている。メジャー移籍前の日本にいた当時と比べると、本来のスイングはできていない。ただ外野守備も含めて実績がチーム全体に好影響を及ぼしているのは確かだから要注意だ。

阪神はオールスター戦までの広島、DeNAとの残り5試合を最低でも3勝2敗で乗り切りたい。もちろん4勝1敗で勝率5割復帰は理想的だが簡単ではない。まずはカード初戦をとって弾みをつけたい。

(日刊スポーツ評論家)

グラウンドにシートをかけるが雨天中止となった広島対阪神(撮影・梅根麻紀)
グラウンドにシートをかけるが雨天中止となった広島対阪神(撮影・梅根麻紀)