オリックス対ロッテ 2回裏オリックス1死一塁、打者杉本の時、暴投する佐々木朗、捕手佐藤(撮影・和賀正仁)
オリックス対ロッテ 2回裏オリックス1死一塁、打者杉本の時、暴投する佐々木朗、捕手佐藤(撮影・和賀正仁)

打たれる、打たれない。結果よりも大切なものがあることを、皆さんには知っていただきたい。

オリックス2回裏は1死一塁。打者杉本の2球目、ロッテ先発佐々木朗のスライダーが暴投。1死二塁となった。

先発マスクの佐藤都は体で止めに行くも大きくはじく。決して緩慢ではなかった。動きに必死さは感じられた。

得点圏に走者を置き、マウンドには佐々木朗。直前の変化球は暴投。この状況でストレートのサインは出してはいけない。だが、直球を中前に運ばれた。

私は現役生活で変化球が暴投となった直後、ストレートのサインを出したことはない。なぜなら、変化球が再び暴投となることを恐れてストレートを選択するのは、打者からすれば思うつぼだからだ。その消極的な選択から真っすぐを投げて、打たれては1点以上の致命的な失点になる。

それでは、捕手は信用を失う。そこに計算があったとしても、周囲には変化球へのブロッキングに自信が持てないから真っすぐに頼ったと思われてしまう。

捕手としての誇りを守るためにも、こうした状況では絶対に変化球を続けなければならない。そして、何が何でも止めることで、まずは佐々木朗に「任せろ、止めてやる」というメッセージを送る。野手陣、ベンチにも、1歩も引かない捕手のプライドを示すことができる。

冒頭で打たれる、打たれないは関係ないと強い表現にしたのには、そうした背景がある。

捕手の主な基本技術4項目を、私は<1>キャッチング<2>ブロッキング<3>スローイング<4>リードと優先順位を付けている。

<1>が悪ければ、<2>~<4>は不安定になる。同様に<2>が未熟では<3><4>が心もとない。つまり、ブロッキングは2番目に重要な基本スキル。だから、佐藤都には、こだわってほしかった。

その後、福田の打席でやはり暴投後に変化球を続けて三振。やればできるのだが順番が違う。この姿勢は杉本の打席で発揮すべきだった。

首位を争う両チームはどうしても取りたい初戦だった。ロッテは先発佐々木朗だけに、是が非でも勝ちたかった。敗因の中に、絶対に繰り返してほしくない教訓がある。学んでほしい。(日刊スポーツ評論家)

オリックス対ロッテ 2回裏オリックス1死二塁、佐々木朗(右)は、味方の失策で先制を許す。左は生還する頓宮(撮影・石井愛子)=2023年6月27日、京ラドーム大阪
オリックス対ロッテ 2回裏オリックス1死二塁、佐々木朗(右)は、味方の失策で先制を許す。左は生還する頓宮(撮影・石井愛子)=2023年6月27日、京ラドーム大阪