阪神が巨人を沈めて5カード連続の勝ち越しを決めた。今シーズン100試合目で貯金「20」を積み重ねた。

中西 阪神は広島が敗れたこともあって、ここから大型連敗だけしなければ、少し楽な戦い方ができるようになってきた。あとは前進、前進で、前に突き進むのみといったところだ。カード初戦も、この一戦も、終盤にもつれたようには見える。しかし実際は巨人との力量差は大きい。特に両軍のリリーフにそれが感じられた。

阪神は先発ビーズリーを5回で降板、桐敷にスイッチした。1点リードの7回は代打中田に左越え2ランを浴びたが、8回に中野の本塁打で同点にできた。

中西 阪神はビーズリー交代のタイミングを球数でなく、5回と決めていたのだろう。桐敷を投入することも青写真通りだ。中田の本塁打で1点をリードされたが、これもどこかで追いつけるという想定はしていたはずだ。まんまと中野がソロ本塁打で同点になったことで仕切り直しに持ち込むことができた。そこから島本、ケラー、加治屋が出塁は許しはしても、結果0点で抑えるという“リリーフ力”をみせた。

一方巨人は、中田の2点本塁打を生かせず、8回に鈴木康が中野に同点本塁打、延長11回はビーディが持ちこたえることができなかった。阪神は岩貞をベンチから外しての継投で、最後は岩崎で逃げ切った。

中西 巨人は勝ちパターンも勝てない。阪神の場合はビハインド、あるいは同点でも、中継ぎで踏ん張ることができる。勝っているときとの継投に、リリーフの差を感じさせない。現状で役割が決まっているのは最終回の岩崎1人。リリーフのやり繰りができているのは、ベンチとブルペンの連携がうまくいっている証明だろう。

【取材・構成=寺尾博和編集委員】

巨人対阪神 勝利投手の加治屋は岡田監督(右)とタッチ(撮影・加藤哉)
巨人対阪神 勝利投手の加治屋は岡田監督(右)とタッチ(撮影・加藤哉)
巨人対阪神 11回表阪神1死二、三塁、原監督はタイムを取ってマウンドへ向かう(撮影・加藤哉)
巨人対阪神 11回表阪神1死二、三塁、原監督はタイムを取ってマウンドへ向かう(撮影・加藤哉)