シーズン終盤、広島にはチームとしての成長を感じる。

今季チームを支えてきた投手陣は中継ぎの主力に離脱者を出しながら、復調した栗林や経験ある中崎、若い大道といった選手たちがカバーしている。野手にも主力の離脱や不調がある中で、堂林が結果を残すなど補い合いながら勝利につなげている。チーム一丸の戦いには、たくましさすら感じる。残り26試合はAクラス入りを意識しながらも、可能性がある限り優勝も諦めてはいけない。

いずれ順位は確定するが、Aクラス入りした3球団にはクライマックスシリーズ(CS)に出場し、日本一になる可能性が残される。短期決戦にはチームの勢いも大きな影響を与えるだけに、順位確定後も大事な試合に変わりはない。監督としてリーグ連覇した17年はCSファイナルでDeNAに敗れたが、シーズン最終盤そのままの勢いが感じられた。優勝争い、Aクラス争いに決着が付いても、その先に待つ戦いの始まりに過ぎない。主力選手を休ませることはあっても、チームとして気を緩めたような戦いは厳禁だ。特にシーズン中にチーム力を上げている広島にとって、残り26試合は、もう1段階、もう2段階成長できる時期であり、来季以降につながる大事な戦いだ。【日刊スポーツ評論家】