阪神がまたも“筋書きのないドラマ”を演じた。9回2死満塁。近本の右前に弾んだヒットで、代走植田が同点、二塁走者・原口も頭からホームに突っ込んだ。
梨田昌孝(日刊スポーツ評論家) ヤクルトの自滅といえたが、阪神には“ツキ”がある。逆転の走者になった原口に代走を出さなかったのは、「まずは同点」といった狙いと、「その先は何が起きるかわからない」という、したたかな読みがあったからではないだろうか。佐藤輝の凡退後、代打野口の四球が起点になった。大きかったね。ヤクルトにも真っすぐに強いというデータはあったはずで、抑えに出た田口の強い警戒感が四球になって表れた。
9回2死一塁、代打原口が三遊間を破って、続く代打坂本の三ゴロを8回から守りに就いた北村がはじく。満塁のお膳立てができ、あとは近本が決めるだけだった。
梨田 阪神は相手のミスに付け入ったが、それに乗じて勝つのは難しいから、“もってる”といえるだろう。才木が投げる試合は勝ちを計算しているから、この一戦を落とすとメチャクチャ痛かった。しかも、終盤まで0-1で進み、勝ちパターンのリリーフも使わざるを得なかった。やっぱり才木が投げているときに援護点がほしいよね。
交流戦明けの才木の先発は3試合目だ。6月25日の中日戦(倉敷)が8回、7月2日の広島戦(マツダスタジアム)は7回、このヤクルト戦は7回を投げ切った。才木本人が投げている計22イニングの間には、まだ得点がない。
梨田 才木の投球内容は良くなかったが、耐えるしかなかったし、よく我慢して投げている。まさに孤軍奮闘だ。ただチームからはまだ強さは伝わってこないが、この勝ち負けには「天と地」ほどの差があった。【取材・構成=寺尾博和】




