阪神は12日のDeNA戦(甲子園)を雨で流し、首位巨人とのゲーム差は「4」に開いた。13日にも宿敵に優勝マジックが点灯する状況で、広島3連覇監督で日刊スポーツ評論家の緒方孝市氏(55)は、昨年の日本シリーズで見せた「必殺継投」で勝機を見いだすことを提言。引き分けも許されない残り14試合。短期決戦さながらの総力戦で、逆転アレンパに望みをつなぐ。

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逆転優勝へ望みをつなぎたい阪神だが、現状を考えると、かなり厳しい状況だと言わざるを得ない。

DeNAを含めた4チームの中で、試合数を最も多く消化している。そして上位2チームに対し、負け数が多い。巨人と5敗差、広島とは2敗差。優勝というのは、勝ち数ではなく、勝率で決まる。上位にいるチームは引き分けでもいいが、阪神にとっては、引き分けは負けに等しい。しかも首位巨人との直接対決は2試合しかない。この3つの要素が重なっているから、キツいのだ。

この現状を理解した上で、どうすれば、優勝できるか。

残り試合の日程を見たときに、他の3チームとは異なる点がある。それは試合間隔に余裕があるというところだ。この日の雨天中止により、今後は最大で4連戦しかない。それを踏まえると、これまでのローテーション投手をブルペンに入れて、スタンバイさせることが可能になる。先発投手が序盤に崩れた場合、素早く第2先発を投入。昨年の日本シリーズでは、第6戦で西勇を2番手で、第7戦では伊藤将を3番手で起用し、日本一をもぎ取った。一戦も落とせない今の状況で、投手陣をフル回転させる戦法はアリだ。

第2先発プランは、連戦を控える他の3チームにはできないことだ。キャリアのある岡田監督もそこは分かっているだろう。

阪神は8月に負け越し、チーム状態は悪かったが、9月に入り、打線の状態は上がっている。1、2番が出塁し、クリーンアップでかえすという形ができている。得点力が向上していることもあり、先に述べたフル回転の投手起用で、失点を最小限に抑えたいところだ。引き分けは負けに等しいだけに、8、9回で選手を使い切る思い切った采配を取る可能性もある。

13日の広島戦は、後半戦に復活した高橋が先発する。彼の投球が起爆剤になったことは確か。逆転優勝の切り札で勢いをつけ、とにかく勝ちきっていくしかない。

阪神対DeNA 試合が中止になった阪神甲子園球場(撮影・藤尾明華)
阪神対DeNA 試合が中止になった阪神甲子園球場(撮影・藤尾明華)