巨人が広島を突き放す3連勝を収めた。それも苦手にしていた敵地での会心の3勝。その中で、試合を分けた大城卓の配球に、大勝負で見せた勝負勘というものを見させてもらった。

3点リードの6回1死満塁。まずは堂林に対して7球を投じているが、戸郷の真っすぐとフォークを絶妙に織り交ぜていた。しかし、フォークを続けることはなかった。それでいて、堂林が真っすぐを意識せずにいられない効果的な配球。最後はフォークで空振り三振に仕留めた。

一方の末包に対しては、フォークを連投した。6球連続でフォーク。前の堂林の配球を見ていた末包の心理からすれば、真っすぐの気配を消し去ることができなかったのではないか。そろそろ真っすぐが来るのでは…、この疑念が最後までスイングを惑わせたように感じる。

ストレートを投げたことで堂林を幻惑させ、今度はストレートを投げないことで末包を混乱させた。この堂林から末包へと続いた配球に大きな意味を感じた。大城卓の意図に見事に応えた戸郷も素晴らしく、巨人バッテリーと、広島打線の明暗が大きく分かれた。

負けた広島には痛恨の3連敗だ。絶対に1勝はしなければならない戦いで、最後まで新井監督は受け身に回った印象だ。そして、私が勝負手を選べたと感じたのは2回無死一、二塁での末包の打席だった。

目先の1勝がほしく、何とかして先制したいところ。ここは末包にバントをさせても良かったのではないか。末包にバント? と憤るファンもいるかもしれないが、あり得ないことも決断する時はある。やれるやれないではなく、やらなきゃいけない時だ。まさにトーナメントの戦い方が求められた場面に映った。

この3連戦、阿部監督は2番坂本の起用、菅野の57球降板、そして丸をスタメンから外し、大勢を今季初のイニングまたぎでの起用と、次々と手を打った。まるで日本シリーズのよう。これも原監督の下でヘッドコーチ経験したからこそ、勝負どころを逃さない勝負勘が働いたのだろう。

最後に、広島が3失点した3回の守りでは、門脇の犠打に、三塁小園が前に出てしまう判断ミス。これで三塁封殺ができなかった。さらに、処理した床田に、小園、捕手坂倉が大声で一塁送球の指示を出していたのか。もしくは、床田がその指示を守れたのか。小園の最初の判断ミス、そして直後の指示ができていたのか。ここが3失点の大きな要因になった。(日刊スポーツ評論家)

広島対巨人 6回裏広島2死満塁、末包を三振に仕留め雄たけびを上げる戸郷(撮影・浅見桂子)
広島対巨人 6回裏広島2死満塁、末包を三振に仕留め雄たけびを上げる戸郷(撮影・浅見桂子)