現役時代は阪神一筋22年、4番や代打の神様で活躍した日刊スポーツ評論家の桧山進次郎氏(56)が試合をチェック。阪神が6回裏に逆転された直後の7回表に再逆転し、11連勝を決めた場面を強い勝ち方と指摘。2位以下で最も投打のバランスが高い広島に、苦手意識を植えつけた敵地での3連勝と位置づけました。【聞き手=松井清員】

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強い勝ち方でした。6回裏に逆転されても、直後の7回表に一挙5点で再逆転。終盤の2点ビハインドでも慌てず、エンジンをかけ直せる。チームが乗りに乗っている象徴でしょう。

大きかったのは先頭豊田の四球です。よく見て粘って見極めた。簡単に凡打していれば、流れもそのままだった可能性が高い中で、絶対に諦めませんよというムードをつくった。代打前川の幸運な内野安打でボルテージは高まり、代打糸原は速い真っすぐに上からコツンと合わせて1点差に迫る犠飛を決めた。日替わりスタメンの選手、途中からいく選手が仕事を果たせばベンチは普段以上に盛り上がる。あとは主力が逆転劇を完結させるだけでした。

先発伊原も堂々の投球内容でした。特に右打者には、クロスファイアで内角に切れ込む真っすぐ、カットボール、スライダーが効果的で、外に抜いたフォークもある。左打者はその反対で、どの打者も対応に苦慮していました。長く持ったりクイックしたり、大事な場面ではけん制を入れたりと、新人とは思えないぐらい試合を読んだ投球が光りました。唯一、もったいなかったのは6回2死一塁から、ピンチを広げた小園への四球ですね。慎重にギリギリを突き過ぎてわずかに外れた。次の4番ファビアンほど長打の確率は高くないので、大胆にゾーンで勝負してもよかったのかな。

阪神にとって、4位までの下位3チームで、投打のバランスが高い広島が一番いやな存在だと思います。でもこれで広島の方が阪神に苦手意識を持ったのでは。それほど大きな敵地での3連勝になったと感じます。(日刊スポーツ評論家)

広島対阪神 7回表阪神1死二、三塁、代打の糸原の中犠飛で豊田が生還(撮影・加藤孝規)
広島対阪神 7回表阪神1死二、三塁、代打の糸原の中犠飛で豊田が生還(撮影・加藤孝規)
広島対阪神 7回表阪神2死一、二塁、森下は勝ち越しの2点適時二塁打を放つ(撮影・加藤孝規)
広島対阪神 7回表阪神2死一、二塁、森下は勝ち越しの2点適時二塁打を放つ(撮影・加藤孝規)