日本ハム大谷翔平投手(23)の言葉にはうそがない。5日、千葉・鎌ケ谷でのリハビリ後。前日で日本シリーズも終わり、今季の戦いが完全に終了した。そのタイミングで、あらためて来季に向けての考えを聞いてみた。本人が今オフのメジャー挑戦について初めて口にしたのは、この2日後だ。

 大谷 毎シーズン毎シーズン、オフになったら次のシーズンをどうしようかな、どういう風にプレーしようかなというのは誰しも考えると思う。今年のダメだったところをしっかり振り返って、1歩1歩、前進するように練習すると思う。

 「メジャー」の言葉は出なかった。ただ、舞台はさておき、確かに“来季に向けての考え”について語ってくれた。

 代理人についての話題にもなった。その時の答えがこちら。

 大谷 言う必要はないかなと思う。日本にいる選手が別に代理人と契約をしてもいいし、向こうに行く選手が代理人と契約しなきゃいけないというのもないので。

 繰り返しになるが、2日後にメジャー挑戦について表明することになる。7日(日本時間)、大谷と代理人との契約について米国で報じられた。その日、リハビリを終えた後に声を掛けた。すると質問を開始する前に「後でまた来ます」とだけ答えて寮に引き揚げた。それまでのリハビリの流れから、帰寮後に再度グラウンドや室内練習場に姿を現すことはなかった。だが、その言葉どおり、大谷はウエートトレーニングなどを終えた後、取材に応じるために報道陣の前に登場してくれた。本人も報道について問われる覚悟があったようだ。そして「メジャーに行くために代理人を決めた」と認めた。

 11日の会見で正式表明。質問1つ1つに対して丁寧に答え、真っすぐな目でメジャーへの思いなどを語る姿があった。だが、それまでの舞台裏にも、誠実さが隠されていた。【日本ハム担当=保坂果那】