小学校の卒業文集で「1億円プレーヤーになる」と予告していたという。今オフ、阪神からDeNAにFA移籍した大和の話だ。「将来の夢」を書く欄に「ヤクルトスワローズで…」と前置きした上での宣言だった。

 幼少期の大和はヤクルトファンではなかった。では、なぜ? 話を掘り下げていくと、家族思いの男らしいエピソードを教えてくれた。「昔、日ごろから面倒を見てくれていたおばあちゃんがよく、飲むヤクルトを近くまで買いに行っていたんです。それで、ヤクルトに入って1億円プレーヤーになれば、毎日ヤクルトを飲ませてあげられるなって思って」。当時の心境を、笑いながらそう振り返った。

 ヤクルト好きだった祖母はプロ入りから数年後、他界した。それでも大和は祖母との約束を忘れることなく、ついに1億円プレーヤーに仲間入りを果たした。「チームは違うから、ヤクルトは配達できませんけどね…。まあ、そこは許してもらうしかないですよね(笑い)」。天国に報告した時、祖母は喜んでくれただろう。【阪神担当=佐井陽介】