11月28日、札幌市内にある日本ハムの室内練習場。気温は3、4度ほどだっただろうか。冬用のダウンコートを着用している私でも、体の芯まで冷えきるような寒風が吹き付けていた。そんな中、屋外で待っていたファンにサインを書き始めた選手がいた。

それは清宮幸太郎。自主トレを行い、汗をかいた直後、上は練習用ジャージー、下はハーフパンツ姿。数分前まで体を動かしていたとはいえ、さすがに見ているだけで震えてくる。しかし、清宮は手を止めず、約30人ほどのファン全員にサインを書いた。「ありがとうございます!」「待っていてよかった!」。色紙やボールなどにサインをもらったばかりの老若男女のファンから喜ぶ声があがった。

夢と希望を与えるプロ野球選手。そしてそれを支えるように応援する多くのファン。選手とファンがシーズン中に触れあう機会はなかなかないと言っても過言ではないが、ほんの一瞬だけ、その距離が縮まったような気がした。寒空の下だろうが、ファンサービスをしっかりする。「ファンサービスファースト」。ファンの方々に感謝する姿だ。当然のことかもしれないが、その日の清宮の姿は、まさにそれを象徴しているような気がした。【日本ハム担当 山崎純一】