<オープン戦:ソフトバンク5-3巨人>◇9日◇ペイペイドーム

まだオープン戦だから、そんなに喜ぶことでもないのだろうが、ソフトバンクが巨人に逆転勝ちして対巨人12連勝とした。19年の交流戦3戦目に白星を挙げ、その年の日本シリーズで4連勝。昨年はオープン戦2連勝で、2年連続の顔合わせとなった日本シリーズでも再び4連勝。そして今年初対戦で白星。カモと言っては失礼だが、それにしても強い。両軍ともに開幕への調整段階。ベスト布陣でもなく、勝負にこだわってはいないものの、やはり試合である以上は勝ったほうがいい。

ホークスは残り3枠となった先発ローテ入りへ向け杉山、笠谷が登板。4回3失点の杉山に対して笠谷は3回1安打無失点。左腕笠谷は開幕2カード目のオリックス戦(京セラドーム大阪)の先発登板に当確ランプをともした。最速157キロ右腕の杉山は制球に課題を残した。次回登板が先発テストのラストチャンスか。武田、大竹も好投しているだけに、まだまだ厳しいローテ枠争いとなるだろう。エース千賀も12日にはファームで登板予定。1軍合流もそう遠くないから、不安視された「先発枠」もそれほど心配することはないのかもしれない。

ソフトバンク対巨人 5回表から登板する笠谷(撮影・狩俣裕三)
ソフトバンク対巨人 5回表から登板する笠谷(撮影・狩俣裕三)

むしろ、2021年型の「勝利の方程式」を確立させることが重要だろう。守護神森に8回モイネロは確定だが、6、7回のセットアップがペナントの鍵を握る気がする。右肘に違和感が出た岩崎の状態が心配だが、ワンポイントでの起用が多い嘉弥真にイニングを任せる手もある。この日、8回1イニングを投げた嘉弥真は2三振を奪い、きっちり3者凡退で仕留めた。「先行逃げ切り型」のホークスにとって、小柄なサウスポーは貴重な存在になると思うのだが…。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

ソフトバンク対巨人 3番手として登板した嘉弥真(撮影・梅根麻紀)
ソフトバンク対巨人 3番手として登板した嘉弥真(撮影・梅根麻紀)