<ソフトバンク3-2ロッテ>◇27日◇ペイペイドーム

たった開幕2試合だが、ソフトバンクにとってロッテの「苦手意識」は払拭(ふっしょく)されたかもしれない。先発高橋礼が乱調。いきなり押し出し四球で始まった試合は、終わってみれば9回今宮の一打でサヨナラ勝ち。投手陣がロッテに12四死球を与えながらも2失点で食い止め、カード連勝した。

9回裏、今宮はサヨナラとなる二塁打を放つ(撮影・梅根麻紀)
9回裏、今宮はサヨナラとなる二塁打を放つ(撮影・梅根麻紀)

2年連続で負け越していたとはいえ、昨シーズン終盤は対ロッテに7連勝。星を大きく戻していた。何より今季は2戦ヒーローの今宮がしっかりと「ショート」を守っていることが大きい。2度のファインプレーもさることながら、やはり「守りの野球」で重要なのはセンターラインの強さだろう。今季は今宮、柳田、そしてオープン戦不調もリセットとした周東の動きがいい。3人が打撃面でも好スタートを切っただけに、攻守に堅実さが光っている。

1回表2死満塁、鳥谷の打球を好守する今宮(撮影・岩下翔太)
1回表2死満塁、鳥谷の打球を好守する今宮(撮影・岩下翔太)

3カ月遅れとなった昨年の開幕カードもロッテ3連戦だった。開幕戦こそサヨナラ勝ちしたが、その後は連敗。次カードの西武6連戦でも2勝4敗と負け越して開幕ダッシュに失敗。要因はいろいろあったろうが、開幕戦に7番ショートで先発出場していた今宮が2戦目では代打出場。痛めていた左太もも裏、右肩違和感などで状態を見極めながらのシーズンインだった。内野の要がしっかりと定まらない中での開戦はチームバランスもうまくいかない。それでも試合出場を強行した今宮は左ふくらはぎまでも痛めて、8月に無念の長期離脱となった。

今宮は「(昨年、離脱した)8月以降は本当に悔しかった」と言った。今キャンプでは志願してリハビリ組に落ちた。ケガ再発を最も恐れたのは、今宮自身だからだ。雪辱の思いは誰より強い。ケガに泣かされた男の完全復活を求心力に、井口ロッテにも今後も優位に戦えるのではないだろうか。【ソフトバンク担当 佐竹英治】