ヤクルトの「W丸山」が沖縄・浦添キャンプでアピールを続けている。新人でただ1人の1軍スタートとなったドラフト2位丸山和郁外野手(22=明大)は17日、今季初の対外試合となる練習試合の楽天戦に「9番左翼」で先発デビュー。4打数無安打に終わったが、持ち味の俊足と守備は首脳陣の評価も高い。また育成ながら1軍に抜てきされた193センチ右腕の丸山翔大投手(23)は、臨時コーチを務めた元監督の古田敦也氏から「体も大きくて、非常に力のある球を投げていて、その割に意外とボールもばらけない。早く実戦で見たいと思わせるピッチャー」と高い評価を受けた。

174センチと小柄な丸山和は、シートノックで得意のセンターだけでなく、ライト、レフトでも軽快な動きを披露。強肩から繰り出される矢のような送球に、客席から「お~」というどよめきと拍手が巻き起こる。50メートル5秒8の俊足とも合わせて「バッティングよりは自信があるので、そこを見つめながらもっとレベルアップしていきたい」とさらなる成長を目指す。同期入団がいないキャンプ生活は「少し寂しいですけど、先輩だったり、下の子たちが優しく接してくれるので。やりやすい環境」という。目標の青木からは「今の自分を評価してヤクルトに入れたから。それをまず信じて、1年目はやってみろ」との助言を受けており、まずは自分のやり方を信じて戦い抜く決意だ。

丸山翔は、16日に実戦形式のシート打撃に登板。西浦ら打者6人に対し計19球、1安打1四球、最速147キロの内容に「自分としては力強いボールは投げられたかなという思いですけど、高さだったり、もう1つボールを押し込めるんじゃないかなという部分はあった」と手応えと課題を示した。小川や石川ら主力投手を見て学ぶとともに、中村、嶋ら経験豊富な捕手に受けてもらう日々に「上でやっている人たちの意見を聞くことがなかなかできなかったので、聞くことができて、すごくよかった」と充実した表情を見せる。

昨季は村上宗隆内野手(22)、奥川恭伸(20)ら若手も力を発揮して20年ぶりの日本一を獲得。2年連続の頂点へ、大小の「W丸山」も、貴重な戦力となっていくことを期待したい。【ヤクルト担当=鈴木正章】

丸山翔大(2022年2月10日撮影)
丸山翔大(2022年2月10日撮影)