動揺もなければ、戸惑いもない。DeNA三浦大輔監督(48)の言葉は、自信に満ちあふれていた。ソトとオースティンの両外国人野手がリハビリ組に合流したため、開幕が絶望的となった。

チームの「飛車角」ともいうべき、打線の中軸を担う2人。コロナ禍で来日できなかった昨季に続く開幕時の外国人野手不在にも、三浦監督は「去年と状況が違いますから。外国人2人いないのは残念ですけど、キャンプから若い選手たちと戦ってきましたし、戦っていけるようにやってきましたから、まずは今いるメンバーでしっかりいいスタート切れるようにやっていくだけです」。そう言い切れるほど準備はしてきた。

外国人野手不在という現実は昨季と同じでも、チーム状況は大きく異なる。主将として大黒柱の佐野はキャンプで負傷したが、開幕前に戻ってきた。リードオフマンとして桑原が先頭に立ち、2年目の牧は新4番を任された。ベテランの域に差しかかった宮崎の安定感は年々磨きがかかっている。むしろ、空いた穴を狙う楠本、細川、大田、神里ら、生きのいい若手外野手は今か今かと出番を待ちわびている。

戦力ももちろんだが、何よりチームには昨季序盤、外国人不在で戦ったという経験がある。三浦監督はいう。「若い選手たちの成長もありますし、チームの取り組むことができつつある。前から言っているように、完成でもなんでもない。これをやり続けていければチーム力というのはどんどん上がっていくと確信しています。これを続けて、そこに外国人が戻ってくるときにはもっともっと加速できるようにと考えています」。底上げという準備をして迎える開幕。シーズンを戦いながらチームのギアを上げていく。【遊軍=栗田成芳】

DeNA佐野(2022年3月4日撮影)
DeNA佐野(2022年3月4日撮影)