超積極的野球-。25日ヤクルトとの開幕戦を見て、ふと4年前を思い出した。18年3月16日、ウエスタン・リーグ開幕戦のソフトバンク戦(タマスタ筑後)。矢野燿大2軍監督(53)としての初陣で、11安打中初球打ちが7安打あり、5盗塁など、アグレッシブな攻撃を展開した。「おもろいやろ? 俺もおもろいなと思ってた。こういうことが俺のやりたいことやった」。そう話したことが強く印象に残っている。

結果的に当時の阪神2軍はウエスタン・リーグ新記録となる163盗塁をマークし、優勝。そのままファーム日本一に輝いた。そして1軍監督に就任した19年からも3年連続でセ・リーグ1位の盗塁数をたたき出した。19年は100盗塁、20年は80盗塁(巨人と同数)、21年は2位のヤクルトに44個差をつける114盗塁。機動力を生かした「超積極的野球」を継続して体現している。

今季の開幕戦も序盤から積極的に仕掛けた。初回に出塁した近本、中野が企図。盗塁失敗となったが、中野は4回にも試み、今季初盗塁を成功させた。昨季までの数字にも表れているように、勇猛果敢に攻める姿勢が選手に根付いている。

2軍監督時代から「超積極的野球」の他に「諦めない」「誰かを喜ばせる」を旗印に掲げていた。1軍でも一塁への全力疾走が徹底されていることや、ファン製作の「虎メダル」など、プレー以外にファンに楽しんでもらう「ファンともっと! プロジェクト!」も矢野監督のカラーが存分に発揮されている。4年ぶりに担当に着任してあらためて感じた。

開幕前日のミーティングでは「今まで積み上げてきた野球観、プレースタイルだったり、『集大成』としてそれを証明するために優勝というピースが必要だ」とナインに熱く語った。監督として迎えるラストシーズン。かねて掲げてきた「超積極的野球」の集大成に注目していきたい。【阪神担当 古財稜明】