<ソフトバンク9-0西武>◇13日◇ペイペイドーム

ソフトバンクがパ3強の「だんごレース」と呼ばれた状態からひとり抜け出し始めた。勝負の11連戦の初戦こそオリックスに黒星を喫したものの、そこから3連勝。本拠地ペイペイドームでの西武3連戦に連勝し、カード勝ち越しを決めた。

終わってみれば9-0の完勝。チーム19度目の「完封」ゲームとなった。スコアブックを見返してみても明白なのは「四球」が絡んだ得点が効果的だった。敵将の西武辻監督にしてみれば、イライラの募るゲーム展開になってしまったのだろうが、逆にホークスにとっては最高の得点パターンとなった。

先制した4回は2死から柳田、デスパイネの連続四球から中村晃の中前タイムリー。5回は先頭柳町の四球をきっかけに周東の適時二塁打。さらに7、8回の計7得点も四死球をきっかけに大量点をたたき出した。「首位攻防」の緊迫戦ではやはりミスと四球は厳禁。対照的に奥村、森が6回まで無四球の無失点リレー。スキを逃さず、スキを与えず…の試合運びだった。

2度目の先発で3回無失点の奥村にプロ初勝利を挙げてもらいたかったが、森との継投策を必勝プランとしていただけに、次回以降の好投に期待したい。それにしても試合前に森の来季先発転向の考えを明かしていた藤本監督だったが、継投がズバリはまってエビス顔だ。11連戦中の先発のコマ不足に「第2先発」として森起用をひそかに温めていたのだから、なかなかの策士である。

8月に過密日程の26試合を消化した8月31日、ロッテ戦(ペイペイドーム)で敗れると、森を監督室に呼んで「先発転向」を打診していた。その後、負け試合に2度登板したが、森はきっちりこの日に仕上げてきた。10勝投手の西武高橋を打ち崩し、投手陣は完封リレー。藤本ホークスがVロード快走の予感がしてきた。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

ソフトバンク対西武 7回表に選手の交代を告げる藤本監督(撮影・屋方直哉)
ソフトバンク対西武 7回表に選手の交代を告げる藤本監督(撮影・屋方直哉)
ソフトバンク対西武 7回裏ソフトバンク1死二塁、周東は右中間へ適時三塁打を放ち、両手でガッツポーズをする(撮影・屋方直哉)
ソフトバンク対西武 7回裏ソフトバンク1死二塁、周東は右中間へ適時三塁打を放ち、両手でガッツポーズをする(撮影・屋方直哉)