3年ぶりのV奪回へ向けて「競争」「厳しさ」をテーマに掲げるソフトバンクの宮崎キャンプだが、サバイバル戦の中でも「周到な準備」も怠るわけにはいかない。

投手陣の要望もあって今季から、本拠地ペイペイドームのマウンドの土がさらに「硬さ」を増すことになった。MLB球団マウンドの硬度とほぼ同程度で、今月中にペイペイドームのマウンド、一、三塁側ブルペンの土の入れ替え工事がスタートする。そのため今キャンプのA組ブルペンは新仕様となる「硬さ」で整備されているのだ。すでにNPB12球団中10球団ほどがこの硬度を採用しているという。

チーム最年長の和田がこの日、ブルペンで初投げした。捕手を座らせて53球。軽快なテンポでミットを響かせた。「(ブルペンの土は)すごく感触は投げやすかった。それも良かったのかな。シーズン通りのマウンドで投げられるのは良かった」。プロ21年目のベテラン左腕は新仕様となるマウンドの強度を歓迎した様子だった。

もちろん、慎重派もいる。キャンプ初日に60球を投げた大関は「硬い感じですね。僕の場合、(踏み出した)右足のかかとの部分がちょっとすべる感じ」と話した。2日目はシャドーピッチングでさらに踏み出しの感覚を確かめた。見守った斉藤投手コーチと何度もスパイク裏を確認した。「ちょっとスパイクの歯をミリ単位で削って、かかと部分のクッションを厚めにしてみようかなと思っています。いろいろと対応していかないと。それで感覚が良ければ」。今季は18勝&10完投の目標を立て、自主トレから追い込んできた。順調な仕上がりでキャンプインしただけに、思わぬことで文字通り「足元」をすくわれるわけにはいかないのだ。【ソフトバンク担当 佐竹英治】