「さぁキャンプ取材だ!」。自分なりに気合を入れ、ふと取材ノートを見返していた。ぱらぱらとページをめくると、赤ペンで書かれたコメントが目に留まった。日付は22年2月12日。ちょうど1年前で、こんな一文だった。
「正直なところ、“使ってもらってる感”が満載じゃないですかね」。
コメント主はリチャード内野手(23)だった。
「ロマン砲」と言われ、藤本博史監督(59)からの期待も大きい。だが、心のどこかで「『ロマン砲』だから試合に出ているのか」という不安もあった。ノートの下段には「自分の力で試合に出たい」とも書かれてあった。当たり前だが、それがリチャードの本音だろう。6年目に入り、もう“使ってもらう”立場ではない。
21年にプロ初本塁打を含む7発。一気の飛躍が期待された22年は、3本塁打に終わった。今オフからリチャードは「結果が出てからしゃべります」と言うようになった。野球に集中できるならば、それでいいのかもしれない。誰もが覚醒を願っている。
言葉を発すれば、周囲を笑顔にする天然ぶりを持っている。ペイペイドームのお立ち台に上がれば、球場に来たファンたちもきっと笑顔になるだろう。結果を出して、多くのコメントをノートに記したい。記者もそう願っている。【ソフトバンク担当 只松憲】




