日本シリーズはソフトバンクが3勝1敗1分けで王手をかけた。野球評論家の西本聖氏にここまでの戦いと明日3日の第6戦について聞いた。

-シリーズ前、西本さんは4勝1敗か4勝2敗でソフトバンクが勝つと予想していた。ここまでは予想通りの展開になっている

西本氏 広島が日本一になるには第1戦が大事だと思っていたが、勝てた試合を引き分けた。確かに第2戦は取ったが、挟殺プレーでのミスなど考えられないミスで初戦を取れなかったのが痛かった。それと第4戦。1回1死一塁から丸の二塁打で一塁走者の菊池が一気に本塁を狙ったがタッチアウト。この場面は投手心理からすれば、三塁で止まって1死二、三塁。ここで好調の4番鈴木を迎える方が明らかに嫌だった。もちろん1死二、三塁としたところで得点が入ったかどうかは分からない。ただマウンドにいたのは今シリーズ初登板のソフトバンク東浜。投手というのは立ち上がりがとにかく不安。2死二塁から鈴木を三振に仕留め、試合の流れが決まった。この試合は初回がすべてと言ってもよかった。

-第5戦は接戦になった。ともに早め早めの継投でしのぎを削った

西本氏 大事な場面で、勝負所で踏ん張れるのがソフトバンクのリリーフ陣の強み。森は素晴らしい内容だったし、第3戦で5失点した加治屋も頑張った。一方の広島はフランスアをやや引っ張りすぎたか。移動日を挟むとはいえ2回2/3で41球。カギを握る投手だけにどこまで回復するか。9回は頭から中崎でも良かったのかなとも思った。

-3日の第6戦。ソフトバンクが一気に決めるか。それとも広島が本拠地で巻き返すか

西本氏 広島にとって明るい材料は丸が当たってきたこと。それと何とか流れを変えたい。そのためには動いたり、仕掛けることも必要。確かに自慢の足をソフトバンク甲斐の強肩に完全に封じ込まれているが、盗塁がすべてではない。エンドランという策もある。広島の強さは打線のつながり。崖っぷちに追い込まれはしたが、セ・リーグチャンピオンの意地を見せてほしい。