巨人が広島との開幕3連戦に2勝1敗と勝ち越した。テレビ観戦した野球評論家の西本聖氏に今季の巨人の印象などを聞いた。

-巨人が昨季まで苦手にしていた広島に敵地で2年ぶりに勝ち越した

西本氏 巨人にとって非常に意味のある勝ち越し。これからシーズンに入っていく中で良い流れをつくれたし、十分やっていけるという手応えを感じ取ったのではないか。逆に負け越していればベンチもファンも「今年もダメなのか」という空気になっていたと思う。

-丸が加入した攻撃陣について

西本氏 打線に関しては心配いらないんじゃないか。丸にも1本出たし、1番の吉川尚が良い働きをしている。第2戦から6番に入れたゲレーロも活躍するなど原監督の起用も当たっている。さらに1点の取り方。第2戦で坂本に送りバントをさせたが勝つための采配をやっているなと強く感じた。丸に関しては開幕戦こそ4三振したが、あの日の大瀬良は誰も打てなかった。実績あるバッターだし心配はいらない。あとは4番の岡本に一発が出れば。実績は去年1年だけ。今年が本当の勝負になる。

-投手陣は

西本氏 一番の心配はクローザーだったが、第2、第3戦とクックがセーブを挙げるなど結果を出した。それだけにクックにつなぐまでの(中継ぎ)投手が問題。中川が良い働きをしたが、顔ぶれを見ても実績のない投手が多い。開幕10試合までいろいろな投手を試しながらということになると思うが、早く勝ちパターンというか、勝利の方程式というものをつくりたい。

-去年までの戦いと変わったところは

西本氏 去年までは広島にビッグイニングを作られていたが今回は1点取られても次の2点目、3点目を与えない野球ができている。あとは原監督が豊富な経験の中で勝つための采配をしている。それに選手が応えていると感じる。

-4連覇を目指す広島について

西本氏 広島の野球というのは攻めても守ってもミスをしない。しかし第3戦で守りのミスが出たり、送るべきところで送れなかったりとミスが出てしまった。ファンからすれば「えっ!」と不安を感じたに違いない。それと緒方監督らしくないと思ったのが人的補償で獲得した長野の起用。第3戦で初めて(途中)出場したが、開幕戦や第2戦でも使って欲しかった。球場も盛り上がるだろうし、早く本人に空気というか雰囲気をつかんで欲しいなと思った。