函館ラサールのエース野沢悠真(3年)が毎回の12奪三振と圧巻の投球を見せた。

 4月1日に、右肘の軟骨除去手術を受けたばかり。準備不足で迎えた今春は、地区予選4回戦で敗退したが「この夏は、しっかり準備して臨める。途中で相手が直球狙いと気付いて、スライダー中心に組み立てを変えました」。散発4安打で無四球シャットアウトと、ほぼ完璧な内容だった。

 初出場した昨夏の南北海道大会では、既に右肘を痛めていた。肘が曲がらず、しびれて力が入らない。「それでも、ごまかしながら投げていた」。故障中は直球が走らず変化球頼みの投球が続いたが、けがの功名でスライダーの切れ味が増した。

 エース不在の間に、2年生投手2人も急成長。武田将知(まさと)監督(27)が「3本の柱」と信頼を置く投手陣がそろい、創部初の2年連続南大会出場が、ぐっと近づいた。【中島宙恵】