日大高(神奈川)が、「上を向いて歩こう」の替え歌に乗って、05年以来12年ぶりの4強入りを決めた。

 2点を追う4回裏、2死満塁から9番豊島義弥外野手(3年)が、右中間を破る走者一掃の適時三塁打を放ち逆転。さらに1番池谷蓮内野手(3年)が右越え2ランを放ち突き放した。

 5回裏にも1点を加え6-2とすると、グラウンド整備のインターバルの合間に一塁側日大高応援席から懐かしいメロディーが流れてきた。同校出身の歌手、故坂本九さんの名曲「上を向いて歩こう」(永六輔作詞、中村八大作曲)だ。

 ブラスバンドの演奏に合わせ、応援団が歌ったのは替え歌だった。

 上を向いて歩こう

 涙がこぼれないように

 俺達の夏の日

 ひとつになる思い

 応援団長を務める野球部員の藤井湧大選手(3年)は「歌詞はみんなで考えました。誰もが知っている歌。5回が終わったら、この歌で球場全体を巻き込もうと思ってこの夏から始めました」と話した。

 「上を向いて-」はドジャース時代の野茂英雄投手が登場曲としても使った。大先輩の名曲を甲子園のアルプス席で合唱したい。日大高が初の聖地へあと2勝と迫った。【福田豊】