清宮 リベンジすべくして、当たるんだと。ここで勝たないと、今までやってきたことが正しかったと証明されないと思った。勝てて本当に良かった。

 準々決勝後の2日間で気合を注入した。和泉実監督(55)から「(チーム全体が)ギラギラしたものがないぞ」と言われ、清宮が動いた。「気合を入れ直すために」サヨナラ勝ちした昨秋の日大三との東京大会決勝の映像を全員で鑑賞。「どういう目で、表情で戦っていたか」を呼び覚まし、闘争心を刺激した。

 神港学園・山本大貴に並ぶ107号を放ったが、感傷はなかった。「まだ、並んだだけなんで」と話した。明日30日に東海大菅生との決勝戦を迎え、「108本」の壁にも挑戦する。「僕が見てほしいのはチームのために戦う姿。今日くらい、気合をぶつけて、声をからすくらい、全てを出し切る」。2年前、先輩に導かれ、甲子園に出場した。高校生活最後の夏。清宮が導く。【久保賢吾】

 ◆清宮の高校1号 15年4月18日、春季東京大会準々決勝の関東第一戦(神宮第2)で、5回表に1死二、三塁からセンターのネット中段へライナー性で運ぶ130メートル弾。入学後3試合目、13打席目だった。試合後は「目標は高い方がいい。80本ぐらい打ちたい」と話した。