超高校級スラッガーの早実・清宮幸太郎内野手(3年)が、史上最多の高校通算107号のソロを放ち、昨夏の準々決勝で敗れた八王子学園八王子に雪辱した。右翼席にあと5メートル届かず、悔し涙を流した屈辱の日から1年。ライナー性の1発で中堅左に運び、進化を証明した。30日の決勝(神宮)は2年前と同じ東海大菅生が相手。新記録とともに、2年ぶりの甲子園出場を目指す。

 2つの壁を、清宮が越えた。1点リードの7回、外角低めのチェンジアップを強振した。ライナー性の打球が中堅左へ飛んだ。3人の外野手が大きく右に寄る「清宮シフト」が敷かれる中、左中間を守る左翼手が清宮の目に映った。「打球が低くて、ヒットかなと思った」打球は涙を流した1年前とは違って、スタンドに飛び込み、史上最多の107号に並んだ。

 清宮 この日のために練習やトレーニングをやってきたので、その成果がこの1本に凝縮されているのかなと思います。

 「この日」を1つの目標に、清宮主将率いる新チームが始まった。昨夏、準々決勝で八王子学園八王子に敗戦。清宮は9回、1発同点の場面であと5メートル右翼席に届かず、涙を流した。新チーム初のミーティング、清宮はナインに訴えた。「八王子戦の負けを糧にしよう」。雪辱に向け、飛距離5メートル、球速5キロ、体重5キロアップを掲げた。その5メートルの壁を越え、八王子学園八王子に雪辱した。