前橋育英(群馬)の快速右腕が、名将・馬淵監督率いる明徳義塾(高知)を破った。先発の皆川喬涼投手(3年)が8回2/3を1失点の好投で、53歳の誕生日だった荒井直樹監督に白星をプレゼント。今大会最速となる149キロをマークした直球でねじ伏せた。

 「149」のスピード表示に、甲子園が沸いた。2回1死、前橋育英・皆川が腕を振った直球は、今大会最速を記録した。群馬大会での自己最速に並んだが、目標の150キロにあと1キロ届かず。「あと1キロが出ないのは、何かが足りないから。勝利を優先しながら、狙っていきたいです」と次戦の目標に挙げた。

 甲子園通算49勝の馬淵監督率いる明徳義塾を力でねじ伏せた。威力十分の直球で押し込み、チェンジアップなど緩急も有効。走者を許したのは3イニングで、名将が策を立てる前にアウトを重ねた。8回途中に親指の付け根がつって、1点を許した9回2死一塁、2ボールで降板したが「自分では最後までいくつもりだった」と強気を通した。