守備でも規格外の活躍を続ける。4回無死一塁から、両膝をついてボールを止めると、すぐに立ち上がって二塁へ送球して盗塁を阻止。さらに8回無死一塁では、送りバントに素早く反応し二塁へ送球し、併殺に仕留めた。遠投120メートル。二塁送球は平均1秒85、最速1秒74というプロ顔負けの強肩を披露した。

 甲子園では13打数10安打(打率7割6分9厘)4本塁打で10打点。辛口だった中井哲之監督(55)は「まぐれがここまで続いたら、認めざるを得ません」と目を細め、宿舎でも同室の平元は「今日は何でもやってあげますよ」と大喜び。85年夏にPL学園・清原が樹立した1大会5本塁打の最多記録にも王手をかけた。「どうせやるなら清原さんの記録を抜きたい。記憶にも記録にも残るようにやりたい」。有言実行の男は、今日20日の仙台育英との準々決勝で、さらなる快挙を達成するつもりだ。【中島万季】

 ◆中村奨成(なかむら・しょうせい)1999年(平11)6月6日生まれ、広島県出身。大野東小1年から野球を始め、3年から捕手になる。中学は「大野シニア」に所属し、3年に県8強入り。広陵では1年春の県大会で背番号20ながらレギュラーを任され、1年夏から背番号2。50メートル6秒0。遠投120メートル。181センチ、78キロ。右投げ右打ち。