6月発表の第1次候補には入っていなかったが、逆転選出された。軽快なフィールディングと広い守備範囲、自慢の強肩が評価されて、東北地区からただ1人選ばれた。「実感は湧かなかった。第1次候補ではなかったけど、心の中では選ばれたいと思っていた。東北でただ1人選ばれた、という思いを胸に頑張らないと」と意気込む。

 20日の広陵戦では、守備時に右手親指の付け根部分に球が直撃して負傷した。16日に代表に内々定していたこともあり、ベンチ内での治療時には多くの高野連関係者が駆けつけ心配したという。試合後に病院へ直行し、打撲と診断された。今も腫れは残るが「骨に異常がないのでホッとした。冷やすのが一番。少しでも早く完全復活したい」と、急ピッチで本番に間に合わせる。

 世界で暴れて、アピールを続ける。敗戦した試合後にはプロ志望届の提出を明言した。「小さい頃からそこを目標にやってきた。高校野球は終わったけど、幸せなことにジャパンとしてやれる。最後は目標にたどり着きたい」。世界一を手土産に、夢のプロ入りを実現させる。【高橋洋平】

 ◆西巻賢二(にしまき・けんじ)1999年(平11)4月22日、福島・会津若松市生まれ。小金井小2年から野球を始め、小6で楽天ジュニアに選出。秀光中(宮城)では3年時にエース兼内野手として全国中学軟式野球大会優勝。仙台育英では高1夏からベンチ入りし、控え内野手として甲子園準優勝。168センチ、73キロ。右投げ右打ち。家族は両親、兄。