今月にカナダで行われたU18W杯で銅メダルを獲得した仙台育英(宮城)の西巻賢二内野手(3年)が22日、日本へ帰国後初の取材に応じた。初めて日の丸を背負って世界でプレーし、攻守に存在感を発揮して銅メダル獲得に貢献。提出を明言していたプロ志望届は、歴代の同校OBにならって、大安の日にあたる29日に提出することを明かした。注目のドラフト会議は10月26日に行われる。

 世界の舞台で銅メダルを獲得した西巻からは自信がみなぎっていた。代表選手20人中、168センチは最も小さい。米国には2メートルに迫る選手もいた中、日本最小兵が攻守に存在感を示した。

 西巻 日本じゃ経験できないことがいっぱいあった。世界と戦うことで、あらためて自分の持ち味を再確認することができた。

 自慢の守備は本職の遊撃手ではなく、二塁がほとんどだったが無失策で終えた。打撃では、50メートル6秒1の快足を飛ばしてセーフティーバントなど小技を見せた。三振はわずか1個で、代表内で最少だった。

 西巻 あれだけの打者の中で三振が一番少なかったのは自信になった。ただ打つだけが野球じゃない。さらに足を速くして、塁をかき回したい。

 驚異的な精神力も持ち合わせていた。夏の甲子園、広陵(広島)との準々決勝で右手親指付け根を負傷。当初は打撲と診断されたが痛みが引かず、カナダ出発前の再検査で、骨にひびが入っていたことが判明した。

 西巻 痛みが残っていて、初戦(メキシコ)は守備から様子を見ようということになったけど、打席が回ってきた(笑い)。アドレナリンが出て、その後は違和感なくプレーできた。

 世界で活躍した自信が、背中を押してくれた。甲子園が終わった直後に明言していたプロ志望届の提出は歴代のOBにならった。

 西巻 29日の大安の日に出します。早く(ドラフト会議の10月)26日になってほしい。ドキドキする。自分は指名確実の清宮とは違う。12球団に選んでいただければ。 決意の色紙には「挑戦」と書き込んだ。西巻の脳裏にはプロで活躍する将来のビジョンが描かれていた。

 西巻 体の大きい選手でも凡打、失策はする。打撃の正確性を上げて、持ち味の走塁と守備をさらに磨いて、勝利に貢献できる選手になりたい。【取材・構成=高橋洋平】