旭川実が積極打線で初めての秋全道制覇に王手をかけた。1、4回に2安打を集めてそれぞれ1点を奪った。1点差に詰められていた8回には先頭の4番吉田将伍一塁手(2年)が左中間にソロ本塁打を放ち追加点を挙げた。吉田は「絶対流れを変えようと思ったのでうれしい」と笑顔だった。

 好球必打を徹底した。吉田のアーチを含め11安打中7安打が初球打ち。すべてが得点に絡んだ。坂口新(あらた)監督(33)が12年夏に就任後、ファーストストライクから積極的に振ることを指導してきた。きっかけは04年に道勢として甲子園初優勝した駒大苫小牧。「北北海道の選手はバットを振らないが駒苫はガンガン振っていた」(坂口監督)と、参考にした。

 初球がストライクゾーンからボール1個分外れても狙う。坂口監督は「1イニング3球で終わっても全然問題ない。強気でいけば取り返せる」。自分のスイングをして次につなげること、そしてナインの闘争心をかき立ててきた。決勝の相手は打線のモデルとなった駒大苫小牧。「強い気持ちで戦いたい」と吉田。センバツには03年に希望枠、06年に神宮大会枠で出場。攻めて攻めて、今度は王者として春の聖地に立つ。【西塚祐司】