第90回選抜高校野球大会(3月23日開幕、甲子園)は、今日26日に出場36校が決定する。昨秋の関東大会8強の国学院栃木は25日、栃木市内のグラウンドで練習した。水沢龍太朗、渡辺匠、宮海土(いずれも2年)の3投手の継投が持ち味で「勝利の方程式」がチームの鍵を握る。関東大会8強の高崎健康福祉大高崎(群馬)、東京大会準優勝の佼成学園などと関東・東京の6校目を争う中、18年ぶりとなるセンバツの吉報を待つ。

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 国学院栃木の「勝利の方程式」を担う水沢、渡辺、宮はセンバツ出場校の発表を翌日に控え、「楽しみです」と息ピッタリに声をそろえた。出場が決まれば3人が生まれた00年以来、18年ぶりの吉報。当時、1番打者でチームを4強に導いた柄目(つかのめ)直人監督(35)は「ワクワクしています」と穏やかな表情で話した。

 変幻自在の継投で勝ち上がった。昨秋の県大会決勝では夏の決勝で3連敗中だった作新学院に5-4で勝利。関東大会でも市川越(埼玉)に2-1で競り勝ち、準々決勝の慶応(神奈川)戦は2-3での惜敗だった。基本は3回ずつだが、試合展開、状態を見極めた上で継投策を駆使。「相手も見ながら、交代の時は覚悟を持って」決断する。

 各投手の性格、特徴を生かした配置だった。柄目監督によれば、右腕の水沢は「準備の人間で、立ち上がりに強いタイプ」なので先発。渡辺は「柔軟性があって、器用でクレバー」な左腕だから、真ん中のセットアッパーに置いた。宮は「一本気が強く、大魔神の佐々木さん(元横浜)のような空気感を感じる」左腕で、抑えに抜てきした。

 3人の競争意識が、「勝利の方程式」を作り上げた。当初は軸のエースを作る方針だったが、3投手ともに成長。柄目監督は「3人が頑張って、出してくれた答え。バリエーションが増え、試合の流れを支配できる」と継投の強みを強調した。「いい刺激になっています」と切磋琢磨(せっさたくま)する「3本の矢」は、夢の甲子園の舞台を心待ちにする。【久保賢吾】