第100回全国高校野球選手権茨城大会が7日開幕し、常総学院OBで元巨人、現U12日本代表監督の仁志敏久氏(46)が開幕戦の始球式を行った。

 スーツ姿でマウンドに立ち、渾身(こんしん)の直球で会場を沸かせた。同球場は6月末に改修工事を終え、球速も電光掲示板に表示されるようになった。仁志氏の直球は103キロを計時。「100キロ超えたんで良かったです」とほっとした表情を見せ、高校生に向けては「勝つチームもあれば負けるチームもあります。今後につなげていく、意義のある時間になると思います」とエールを送った。

 ベンチ裏に戻った仁志氏に、昨年8月上旬にボールの盗難被害にあった日立北の上遠野希生(きお)主将(3年)が感謝の気持ちを直接伝えた。約800球を盗まれ落ち込んでいた同校野球部に9月上旬、仁志氏から11ダースものボールが届いた。そのボールで練習を積んできた上遠野主将は「ありがとうございました」とお礼の気持ちを伝え、仁志氏は「頑張ってください」と握手をしながら励まされた。上遠野主将は「ボールがなくなって、体験したことないことで驚いてへこんでいたところに、仁志さんから贈っていただいて、自分たちのことを気にかけてくださってありがたいなと思いました。仁志さんの思いも含めて、全員が最高の笑顔でプレーしていきたいです」と決意を新たにした。

 日立北は14日、三和と牛久栄進の勝者との2回戦から登場する。