八戸学院光星が15-7(7回コールド)でライバル青森山田に大勝、5年連続の決勝進出を決めた。打線が4本塁打を含む14安打の猛攻。なんと4発とも3ランの離れ業だった。特に2番武岡龍世遊撃手(2年)は2打席連続の3ランを放った。弘前学院聖愛は2-1で弘前工を下し、5年ぶりの決勝進出を決めた。

 光星の強力打線が大一番で実力をみせつけた。1回表青森山田に1点先制を許したが、その裏1点を挙げ同点とした後、1死一、二塁で5番但井智哉一塁手(3年)が左翼席にホームラン。4-1と逆転した。これが3ラン攻勢ののろしだった。

 2回には無死一、二塁で武岡が右翼席に運んだ。さらに3回1死一、二塁でまたも武岡が右中間の芝生席にアーチ。2打席連続の3ランに、ベンチや応援席はどよめいた。勢いは止まらず、6回には1死一、二塁で主将の3番長南佳洋中堅手(3年)が右翼席にダメ押しの3ランをたたき込んだ。

 勝利の瞬間、ナインは歓声を上げた。今春県大会準々決勝でも青森山田に8-1、7回コールド勝ちしていた。大事な夏の準決勝で返り討ちだが、チームにとっては雪辱だった。昨夏決勝では3-5で敗れていたからだ。

 長南は「去年の3年生の悔しい思いを間近に見ている。今年勝つために今までどれだけ練習してきたか。チーム一丸の勝利です」という。最近不調で、長南から打撃フォームのアドバイスを受けたという武岡も「先輩の悔しさを晴らせた」と力を込めた。

 先発のエース福山優希(3年)は5回で10安打7失点と青森山田打線の反撃を受けた。だが救援の中村優惟(3年)が2回を無安打無失点にぴしゃりと抑えた。守備は無失策。ナインが束になってライバルに向かっていった。

 仲井宗基監督(48)は「打倒青森山田だけではない。最近の青森は強いチームがほかにもある。どのチームにも対応できるよう昨年秋から対策を練ってきた。それは『必ず甲子園に行くんだ』という気持ちです」と決勝をにらんだ。【北村宏平】