<全国高校野球選手権:大阪桐蔭13-2金足農>◇21日◇決勝

 秋田に大旗を持ち帰ることはできなかった。金足農(秋田)初の決勝は、大阪桐蔭(北大阪)の前に2-13。4回無死、菅原天空二塁手(3年)の一塁悪送球で出塁を許し、ここから流れは大阪桐蔭に傾いた。菅原が悔やんだ。「ボールをしっかり握らないまま投げてしまった」。四球の走者も出て、1死後に3ランを浴びた。

 第1回大会(1915年)の秋田中も決勝で失策からサヨナラ負け。京都二中に優勝をさらわれた。1-1の延長13回1死二塁。二塁ライナーを落球し、慌てて一塁へ送球すると、これを一塁手がファンブル。二塁走者が生還した。結果は電報で秋田に伝えられたという。「アクセンクトウ 13カイ2タイ1 キヨウトニチヨウニ ヤブラル」。

 大差がついても金足農は9人野球を貫いた。菅原は最後まで出番のなかった後輩たちについて、こう話した。「僕らの背中を見て、得たものがあったと思う。来年、頑張って欲しい」。100回大会を盛り上げた金足農の野球をどう引き継ぐか、新チームもまた興味深い。【米谷輝昭】