姫路南がサヨナラ勝ちで、5年ぶりの春4強進出を決めた。プロ注目左腕・照峰賢也投手(3年)はスカウト8球団が視察する中、9回1安打12奪三振の好投だった。

2回表、先頭打者に死球を与え2死1塁とすると「直球が高めに浮いた」と先制2ランを被弾。しかし、許した安打はこの1安打のみ。4回に失策が絡み1失点したが、以降は「四死球出してから要所を締められたのが、3点で収まったのかなと思います」と球威ある直球とチェンジアップを駆使し、三振の山を築いた。

昨秋は県大会2回戦で明石商に1-5で敗退。照峰はこの試合、8回途中で足がつり、被安打4も10四死球5失点で降板した。吉本純也監督(45)も「スコアブックの四死球をなくそうと話しました」。冬は制球力と食事面の見直しに取り組んだ。「1日に必要な炭水化物などの栄養素をしっかり取りました」と冬の間に体重は74キロから81キロに増加。この試合は8四死球も「四球が多かった中でも球威が落ちることなく攻めることができた。冬にやってきたことはまちがいじゃなかった」と体力向上の手応えを口にした。

秋の悔しさがモチベーションの1つでもある。明石商のセンバツの試合映像をほぼ全試合確認し「やっぱり強いなと思いました。夏甲子園に行くには明石商を倒さないといけない」と気合を入れ直した。試合後、吉本監督は「気持ちの入った投球でした。要所要所で良い球があった。成長したなと思いました」と目を細めた。

社の好投手・藤本竜輝投手(3年)は登板しなかった。